年始というのは、多くの人がたとえどんなものを積み残してきたかに関係なく、多かれ少なかれフレッシュな気持ちになり、あるいはさせられ、何らかの目標を設定してはさらに浮かれるものである。
真面目な人であれ、そうでない人であれ、この年末年始の空気感のようなものを借りようとする。私もその一人だ。安心してほしい。ただの、皮肉屋ではない。そっち側である。
さて、その空気にほだされて描いた今年2025年の目標を、私自身のブログで発見(つまり忘れていた)、その検証をさせていただく。私はこの1年、どうだったのか。月ごとの長い記事は長い記事に刻み込んでいるので、それはまた別途。午年の一年を颯爽と駆け抜けられるか。足元を見るところから、始めたい。
2025年に設定した「かなえること25」
1. 朝6:30に起きる習慣のもとで生きる
【未達成】おい!幸先が悪い。クラウチングスタートで、後ろ足がぬかるみに取られて顔面をスタートラインの白線の上にぶちまけるぐらい悪い。朝6:30に何があるというのか、この当時の私は何を期待していたというのか。
実際、朝6:30にある余白、何もしなくてもよい時間というのが、私はいま少し怖い。というのは立て込んでいる「やらなくてはいけない業務」が多く、それに切迫しているからなのだが、そういうマインドが濃淡あれど常にある環境である、というのを直視しないと、この習慣とは手を取り合えなさそうだ。要再考ではあるものの、朝は気分がいいのだから、これは別の形で持ち越しだ。とほほ。
2. 理想の朝ごはんに出合う
【達成!】達成である。朝ごはんは今年、私の定型が決まった。ひとりで静岡の山奥、北側のとんがっている地方の山を旅したとき、帰りに立ち寄った温泉施設にそれはあった。飯碗である。ざらりとした焼き締めの器を迎えて以降、朝飯は定型化した。
白飯、おかず1,2品、緑茶。これである。栄養バランスを気にしてもっと手をかけるべきなのだろうが、朝からコーヒー味のプロテインにさらにコーヒーをぶちまけて朝飯と呼称していた私はもういない。朝ごはんを食べていない時の、やる気のただ下がりとイライラの急上昇には、もうご退場願った。素晴らしい習慣を手に入れた。静岡万歳。
3. 1日15分の筋トレ
【達成。ただし別の形で】チョコザップを契約し、文字通りちょこちょこ通うようになってから、体に気を配るようになれた気がする。ゴリゴリのマッチョになって、セックスアピールをむんむんしたいわけではないから、チョコザップは本当にちょうどいい。人間がわずかに頑張りを見せる空間だからだ。ちょこっとずつを継続する習慣は継続したい。これを書いたあとも、体を動かしにいく。
4. できるだけ毎週日曜夜、銭湯にいく
【未達成だが、別にそれでいい】当時は家から車で10分の銭湯に激ハマりしていたので、こう書いたのだろうが、家の入浴剤にこだわればよいと分かってこれは目標から取り下げである。なんなら、お風呂で毎晩歌唱することを課しているので、私にはそぐわない。
時たま訪れる「何もかも洗い流してしまえ」という傍若無人モードと、「知らない誰かの裸体に囲まれてあたかも存在しないような雰囲気を味わいたい」という世捨て仙人モードの双方を手懐けるために行くことはあろう。これはだから、その時を見ればいい。
5. サウナで整った状態を体感する
【整わなくていい。未達でOK】何度試しても、サウナが体に合わない。髪の毛はカラっと水分が抜けるし、肌はシワシワになる。ミストサウナがーと言われるが、そこまでしてサウナに近寄ろうとも思えない。私がいちばん好きなのは「炭酸泉」。たとえ恋人がサウナ好きであっても、私は炭酸泉に浸からせていただきます。
6. 週2回は家で晩ご飯をつくり、たべる
【やや達成】晩ご飯をつくるというのは、私にとって一部セラピーの意味を持つ。家のことをオーガナイズできている状態は、生活の感触を取り戻させるからだ。火を扱い、なんらかの料理をして、洗いものをして片付ける。精神状態のいかんによって、この一連の動作で自己が整ってくる。
ここでふと、自己有用感なるワードが頭に思い起こされるのだが、クソだなと思う。有用である物差しを自身に持てと思う。誰かにとって役立てる私は重要だが、それが結果として「自身のオールを他人に預けること」になってはいけないと思うからだ。中島みゆきを聞け。「お前が消えて喜ぶ者にお前のオールを任せるな」である。船は自分で漕げ。誰かにとって役立てることは大事だが、そればかりを求めて生きるな、である。尺度はあくまで自分に持てだ。
7. 自分自身について考える時間を1日のなかで必ず持つ
【達成】これについては1日で必ずとは言い難いが、その準備は常にしていた。デスクの上では手帳を常に広げていて、何か考えが浮かぶと日付と合わせてメモに残していた。それにおいては、今年も和気文具さんの手帳をお迎えして、がっつり使っている。
8. 5,000円以上、かつ日用品でないものの買い物は家計簿と相談する
【未達成!】いやーーー買っちまっていたなあ。これは、予算設定を見直した方がいいのかも。要は、あらかじめ「衝動買い」をできる余白を作っておく、ということだ。服、コスメ、食事の3つがこれに該当するだろう。学びが多い目標だな、これは。
9. 貯蓄用の口座を新しくつくる
【未達成!!】銀行の類が平日にしかやっていない。私が仕事を終えて煌々と輝く東京タワーを背にしたあとでは、さっさと窓口は閉まっている。貯蓄については本気出して考えていかねばならない。生活を一度スケールダウンさせることだな。今はやや膨れすぎている。
10. 新しい車用に積み立てをはじめる
【未達成!!!】新しい車どころか、まだ乗ってやるからな!と車検代を支払ったばかりである。この目標を思い出すころには自動車税の取り立てがあるだろうし、次の車検までにどうにかすることにしよう...。
11. 新旧問わず、映画を少なくとも50本は観る
【36/50で達成】少なくとも50本ってけっこう難しいじゃん!理由は2つある。
ひとつ、映画館という空間で観るものが「映画」であると最近は思うから。隣の知らない人が啜り泣いていることもあれば、彼の肩に頭を落とす人もいる。これぞ映画。
ふたつ、サブスクの類で家で観るのは、まったく別の体験で、映画を観た感じが薄いと気づいてしまったこと。アマプラで間に広告が入るようになった世紀の改悪でなおのこと
12. 本を少なくとも50冊は読む
【達成】本の読了については常に議論がある。斜め読みを含ませていただけるなら、これは達成。仕事の本やレポートは日々読んでいるからだ。仕事以外で買った本は積まれに積まれているけれど。
13. 読んだもの、観たものについては感じたことを記録に残し、公開する
【達成】Instagramで映画用のハイライトをつくった。先の映画はここでカウントしている。本の場合はInstagramに収まらない反応が噴き出してくるので、様式が合っていない感じがした。その都度、書き残す時間と精神の余白が必要だな。
14. ネットサーフィンは時間制にする
【未達成!】できるか!っていう感じだが、これはやった方がいいな。枕でスマホをいじりすぎている。強制的なモードチェンジか、毎日のソフトランティングか。
15. 毎日や毎週の記録をつけ、公開する
【50:50。記録はつけていたが未公開】なぜ公開すべきとしたのか謎。見てもらいたい相手がいるなら、直接交流した方が早かったのではないの。公開する、見てもらえる「見せる・見られる」の関係はより構築的な考察を加えるべし。エモーショナルは救われない領域だよ、ここは。もっと殺伐としているからな。
16. 山に少なくとも50座は登る
【大達成】お疲れ様でした!これは大いなる達成。今年も登ったなあ〜!
【未達成】縦走路への熊の侵入のニュースがあり、今年は北アルプスの主要な山域には出かけていかなかった珍しい年だった。好きだった人がここを歩いて、その時の朝方の写真が素敵だったから、また歩いてみたいと思ったけれど、熊とこんにちはしてからでは全てが遅い。登山者のリテラシーを全体であげよう2026年。喰われたのが弁当でよかったですね、ですからね。
18. 白根三山を縦走する
【達成】夏のうつくしい夕焼けと焼けるような山並みを体感できた。北岳以南は予想以上にうつくしく、壮大だった。
19. 甲斐駒ヶ岳にもう一度登る
【未達成】南アルプスの新規の山域にたくさん出かけたから、再度カイコマにはなれなかった。白い御体はたくさん拝ませていただきました。
20,21. 屋久島に行ってみる・神津島に行ってみる
【未達成】島への渡航を志したが、これも未達成。神津島はGWにめがけたが、天候が悪くてキャンセル。船のチケットは取ったのに。2026年はめがけてみようか。
22. パスポートを取る
【未達成】とれや!!来年とろう。以上です。
23. 毎日、誰かや何かへの愛情を味わう
【50:50】憎らしさに囚われてしまうこともあった。毎日は難しいかもしれない。手元にあってくれてありがたいわ、という感覚は心地良いので、積極的に取りに行きたい。
24. 親しい人たちに心を配る方を優先する
【達成】今年は「親しい人」がどんな人なのか、その輪郭がはっきりした年でもあった。抱えきれなくてお別れしたり、心ない言葉を放った友だちにさよならと言ったり、振られた相手を怒りで遠ざけてみたり。
親しいとは何かを思い知らされ、更にはその答えが海原のように広いということも知った。答えはいくつかある。無数にある。どこにたゆたうかでも変わる。そのなかで、ひとつの解は「軽やかでいられるかどうか」であると思った。ギチギチの関係性ではなく、そこが解けた状態であるために、私自身に軽さが要る。その軽やかさは何かとえば、今年の私はBillie Eilishの“Birds of a Feather”だった。宙を舞う鳥の羽のように、ふわりと軽やかでいること。
25. 私の心が優しくなったり、温かくなる方を優先する
【宣言通り】これはもう心が決まっていたとしか思えない。25のうち、これだけ宣告じみており、おそらく実際にそのように機能した。
3月まで、かなりの部分で私の心は軋んでいた。本能的な欲求に目が届いてなかったといえばいいのか、欲求たちに出口を与えられていなかったといえばいいのか。野生的な私と、精神的な私が分離していたというのか。
これをどう乗り越えたのかは覚えていない。つまりは、時間がかかったということだ。恋人も、好きな人もいない1年を過ごすという時間が必要だった。ある分岐に差し掛かった時に、それぞれ別の山脈を歩いている、そういう感覚がある。
それが腑に落ちたのは、さっきの白根三山の山脈の上でだった。農鳥小屋のテント場でテントの準備をおえ、私は間ノ岳をトラバースして、別の山脈まで散歩しようとしていた。だが、やめた。疲れていたし、近くで出くわした雷鳥の親子が健気で、見惚れてしまったからだ。
彼らは今、違う山脈をのしのし歩いている。隣かもしれないし、山を降りて、別のことをしているかもしれない。私はまだ山を歩いている。その人たちの背中はもうとっくに見えなくなったが、またどこかの分岐や山小屋で出くわすかもしれない。山肌を駆け下りて、また向こう側に登ることはしない。私の命が危ないから。そうはしない。ただ、願うばかりで、私は目の前に広がる景色に心身を浸す。
ここに誰かが来ようものなら、たとえ道を違えた人であっても、再び飲み物を差し出す準備をして。用意はできているが、期待はしない。彼らには彼らの歩みがあり、私には私の道が用意されているからだ。
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ということで、元旦に求めた「かなえること25」は、多くが未達成だった!ジーザス!!そうはいっても、今年ほど私が一緒くたになった感覚も得難いものだったかもしれない。訪れていないまだ見られていない景色を求めていきたい。2026年にかなえたいことは、元旦にでも取り決めよう。