いちじしのぎ

生活から一時凌ぎで逃げては文章を書き、また生活に戻る人間の悲喜交交。あるいは、人生の逃避先「山」にまつわる話。

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ほんだしと理想の生き方

私が理想とする私が、実は私以外が造ったものだったことが往々にしてあって、でも結局一時期は、そういう主体を生きてしまったことがあるから、出来合いの他人の理想を、私はあまり躊躇なく受け入れてしまう側面がある。 で、それを一部では辞めようと思うの…

私たちは変温動物かもしれない

うまく言い表せないのだけれど、実家の周りには独特の空気感というのがある。広く県域の北側にあるような気もするけれど、20年近く育った場所とあってか、実家は特別な気がするのだ。 生き物を飼う仕事をしているし、野良猫がやって来ては、何匹かが家猫にな…

家路の消えた図書館

大きな川を過ぎて、緩やかな道を登っていく。ふいに訪れる左への急な坂を上れば、図書館に着く。 おそらく名のある人が建てたんだろうなという造り。700人そこそこが入るホールが併設されていて、屋外から見るとプリンをひっくり返したような円錐台という形…