いちじしのぎ

生活から一時凌ぎで逃げては文章を書き、また生活に戻る人間の悲喜交交。あるいは、人生の逃避先「山」にまつわる話。

考えたこと

私たちは変温動物かもしれない

うまく言い表せないのだけれど、実家の周りには独特の空気感というのがある。広く県域の北側にあるような気もするけれど、20年近く育った場所とあってか、実家は特別な気がするのだ。 生き物を飼う仕事をしているし、野良猫がやって来ては、何匹かが家猫にな…

生活のマストを外す

ふと、思う。生活の中に「マスト」が多すぎる。 仕事も含めて、みな当たり前に使う「マスト」。MUST。エムユーエスティ、マスト。英語で習う、命令形というやつ。使命や宣言の意味も帯びる。力強い言葉だ。 ああでも、これ、要らない。私はそういう使命感に…

自分らしさは、不能の距離である

自分らしく、と言われる。 全能であればいいのだろうし、自信を持てればいいのだろうし。20代の中ごろまで、ずっと言われた。「自信を持ってね」。自信がある人は違うなあと思った。 私は自信を身につけてこなかった。それ自体を欲しいと思ったこともなかっ…

「自罰的感情は私を救わない」

スーツケースを引きずるを音がする。まもなく家のゲートを過ぎて、その人の部屋に帰っていくのだろう。 暦の上では、正月はまだ続く。成人の日と合わせて休みをとっている人は、8日までは休むのだろうが、私は明日から仕事が始まる。また1年が始まる。 今年…

人肌ぐらいに

昨日の日記は元旦の夜に投稿していて、だから全日空の事故の件は全く知らなかった。何度もテレビに流れる輪島市の様子に胸を痛めていたら、羽田での一件を知ることになったのだった。 この混迷をどう受け止め、咀嚼すれば良いのかわからないまま、正月休みの…