いちじしのぎ

生活から一時凌ぎで逃げては文章を書き、また生活に戻る人間の悲喜交交。あるいは、人生の逃避先「山」にまつわる話。

買い物が下手

買い物が下手だ。なんでこうも上手くならないのかと自問する年の瀬なのが悔しい。

この文章は新しいロジクールのキーボードを叩いて書いている。品番はK855、なんとまあ打ちやすいことか。「メカニカル・キーボード」なんて仕組みを知らないけれど、カタカタと遠慮のない音を放つキーは存在感があっていいし、もの自体ががずっしりと重たいも安定感が頼もしい。仕事でも文章を書くのだし、これくらいきちんとしたハードを最初から取り揃えておくべきだった。

実は前に使っていたエレコムのキーボードを変えたのは、ほんの数週間前だった。楽天ポイントを叩いて盛大にかったのに「静音」を意図したキーは重く沈まず、エンターキーを押す小指に負荷がかかりまくる始末でイライラした。電気屋で試して買ったのに。いざ、机の上に並べてみたら小指に要求される力がすごい。「なんだこの違いは...」と嫌な気分になりながら使っていた。

デスク周辺に嫌な気持ちになるものを置いておくとなんとなく座らなくなってしまう。これは経験から立証されていた。

それを避けるために、なるべくきれいに、ストレスのないものを置いておくのは今年発見したライフハックの一つだった。使いたいもの、アガるものを揃え、飲み物を用意し、ポモドーロタイマーをセットするまでを、デスクに向かう「ノリ」として設定することも、そのうちに含まれる。

ここまで打っていて、段落が長くなっていることに、このキーボードが気に入ったものであることの証拠を見た。長く打っていても心地良さが続くから、文章も長くなっていく。ありがたいハードを手に入れることができた。

 

買い物が下手というのは、自分にとって何が必要なのか分かっていないということだ。とりわけ、自分が何に気分がアガるのかがわからない。キーボードのそれも、分析が足りなかった。

 

それに関していうと「洋服」もその分野に入る。毎日夜に送られてくるzozousedからのメールをみて購買欲を刺激され、夜中にポチっとしてしまうのは、会社のマーケティング部門の思う壺なのだろう。てことでメルマガの登録解除。

余計なもんは買わん。「これがあれば、ま、いっか」があればいい。今以上にアゲを目指すのではなく、そこは髪型だったりメイクだったりで見せ方は十分に変わるのを、2022年いっぱいをかけて学んできたのだ。ま、いっかこれがあれば。コーディネートを組む力の方が磨きがいがあるぜ。クローゼットのハンガーかけをこれ以上撓ませるのも嫌だし。

ここ2週間で、もう着ない服=1年袖を通していないものとして整理したり、登山ウェアと普段着(山には着ていけない)を整理した。

洋服とギア。失敗が多いこの2つをパッと買うのをやめる。わかりました、指標を立てます。「なくてもいいし、あった先のアゲな生活や行動が妄想できないものは買わない」。ネットでものを買うことが大半な今、洋服であれば手触りや光沢感を宣伝写真を目ん玉ガン開いて吟味し、2Dの画面に映るモデルを頭の中で的確に立体に起こす作業に秀でるようになりたい。

うまく買い物ができるようになること。2023年の目標の一つはこれ。確実にこれ。